安全対策

天井とは

空間のデザイン性向上、設備等を天井裏に隠す役割や、照明器具や各種設備の設置、断熱や遮音、吸音などの機能性を高める役割などを担っているため、さまざまな建物で幅広く採用されています。

天井には地震への対策が必要?

天井として一般的に採用されている「吊り天井」は、構造耐力上の主要な部分から「吊り材」「野縁受け」「野縁」を介して天井仕上材を支持する構成から、地震時には水平方向に揺れやすいという特性があります。
これまで数度の地震において天井脱落の被害が報告されたことから、国土交通省により天井脱落対策に関する基準(特定天井)が定められました。

一般的に用いられる吊り天井

特定天井とは

脱落によって重大な危害が生じるおそれがある天井に対して構造耐力上安全な天井の構造方法を定めたもの。(技術基準)

特定天井の条件

  • ■ 吊り天井
  • ■ 人が日常立ち入る場所
  • ■ 高さ6m超
  • ■ 広さ200㎡超
  • ■ 重さ2㎏超/㎡あたり

脱落防止のための対策について(天井脱落対策に係わる技術基準)

新築の建築物の場合

①【仕様ルート】一定の仕様に適合するもの

クリアランスを設けるもの

地震時に天井に加わる外力を斜め部材で受けるとともに、一定の隙間(クリアランス)を設けていることで天井と周囲の壁等が衝突しないこと(天井の損傷の防止)

クリアランスを設けないもの

地震時に天井に加わる外力を斜め部材で受けるとともに、一定の隙間(クリアランス)を設けていることで天井と周囲の壁等が衝突しないこと(天井の損傷の防止)

②【計算ルート】計算により構造耐力上の安全性を検証するもの

③【大臣認定ルート】国土交通大臣の認定を受けたもの

④その他の天井にして規制の対象から外す

既存建築物の場合

①【仕様ルート】一定の仕様に適合するもの

クリアランスを設けるもの

地震時に天井に加わる外力を斜め部材で受けるとともに、一定の隙間(クリアランス)を設けていることで天井と周囲の壁等が衝突しないこと(天井の損傷の防止)

クリアランスを設けないもの

地震時に天井に加わる外力を斜め部材で受けるとともに、一定の隙間(クリアランス)を設けていることで天井と周囲の壁等が衝突しないこと(天井の損傷の防止)

②【計算ルート】計算により構造耐力上の安全性を検証するもの

③【大臣認定ルート】国土交通大臣の認定を受けたもの

④【落下防止措置】ネットやワイヤーで一時的に天井の脱落を防ぐ方法

⑤その他の天井にして規制の対象から外す

天井面の下部に設置(ネット等)

天井材の落下による衝撃が作用した場合においても、脱落及び破断を生じないことが確かめられた部材(ネット、ワイヤー、ロープ等)の設置により、天井の落下を防止する措置

天井面の上部に設置(ワイヤ等)

脱落した際、利用者の避難ができるよう、脱落した天井を一時的に保持する

参考:国土交通省

こうした重大危害につながる恐れのある天井に施される、様々な「特定天井」脱落対策がありますが設計の自由度がなくなる、部材のコストUP・施工手間の増加などのデメリットが現場の声として上がることも多いのが実情です。

そんな背景から、一方では「特定天井」の基準に抵触させないという選択肢も存在します。
「特定天井」とは違うアプローチで、安全性を確保する対策です。

※上図参照:「特定天井に該当しないその他の天井」においても、設計者の判断により安全を確保することが求められています。

代表的な天井の安全対策

特定天井の技術基準に適合した天井にする

・クリアランスを設ける方法

・クリアランスを設けない方法

技術基準適合外の耐震天井

・ブレースを入れる

・クリップを強化する

落下防止

・ネットを設置する

・ワイヤーを設置する

軽量天井材を採用する

・天井板を軽量で柔らかいものにすることで万が一の落下した場合でも安全を確保する

吊り天井にしない

・構造躯体にする

・ブドウ棚に直接取りつけする

天井を設けない(撤去する)

上記のように様々な選択肢がありますが、安全対策の考え方としては、大別すると以下の2パターンのアプローチ方法があります。

  • ①脱落によって危害があるものを、落とさない様にする。

    ※落ちた場合でも避難の時間を稼ぐ必要アリ

  • ②落ちるものをなくす。または、落ちてきても危害がないものにする。

    ※危害がないものに対しても、可能な限り落とさない様にする。

いかなる時でも安全を確保することに
重きをおいて、
落下しても危害をなくすという
対策を可能にする
超軽量天井材カールトン

カールトンの特徴