開発ストーリー

Q.超軽量天井材「カールトン」を開発した背景を教えてください。

元々、天井の安全対策は重い天井材を金具やプレースで補強し、強固に組む耐震天井が主流だったのですが、東日本大震災の発生によって多くの天井崩落事故が発生したのを機に「軽い天井」の必要性が高まってきましたね。
当時も万が一の落下を考慮した軽量素材の天井は存在していましたが、意匠性や施工性の良さに欠け、使用部位が限定的だと思ったんです。
そこから我々は、それらの欠点を改善することによって、使用部位が広がり軽量で安全な天井が普及することで大きな地震の際にも被害を防げるのではないかと考え、可能性を感じ開発に取り組むことに決めました。

Q.開発にあたり、最も重要視したポイントはなんですか?

地震を始めとする災害に備えた安全性はもちろんのこと、より多くの建物で使用して頂きやすくするために素材の美しさや施工性を兼ね備えたこれまでにない軽量天井材をポイントに開発を進めていきました。

Q.それらを実現するためにどんな困難がありましたか?また解決のためにどんな工夫をしましたか?

試行錯誤していく中で、不燃性・吸音性を保ちながら、軽量で意匠性・施工性に優れた和紙のようなマット調の美しいシート素材の開発に成功しました。
このシート素材は、適度な張りが出るよう、ガラス繊維とパルプの最適な配合バランスがポイントとなっています。この配合によりシワや型くずれを防ぐと同時に様々な形状に可変できる施工性の良さを実現し、多彩な工法の可能性も拡げることができると思いました。
また、1㎡あたり2kg以下の天井にすることが可能なので、法令にあるいわゆる特定天井部位に安全に使用できます。
この新しい素材の開発によって、軽量天井材への概念が飛躍的に広がることと思います。

Q.昨今、軽量天井材にも様々な商品がありますが、それらと「カールトン」の違いはどんなところですか?

一般的な軽量素材との違いは、グラスウール、ロックウールなどのボード系の厚さに対して厚み0.7㎜と、とても薄く、現場合わせの加工や開口処理の施工がとても簡単です。
また、膜素材と比べても、素材自体に適度な張りを持たせてあるのでグリッド天井の様な施工性の良い工法との組合せにぴったりです。
さらに仕上りにおいても、ガラス繊維とパルプの混抄によるシートは、和紙の様な風合いでマットな感じを装い他の素材では出せないカールトンならではの特長となっています。